一般社団法人青森県りんご対策協議会

体験と情報の戦略的な設計により
食品素材の知られざる健康価値の認知を広げる

Outline

概要

1日1個で医者いらずと言われるように、りんごは一般的に健康に良い果物として知られています。
最新の研究ではりんごに含まれるポリフェノール「プロシアニジン」が腸内細菌に良い影響を与えることが確認されており、医者いらずの理由が日進月歩に解明されています。

しかし、こうしたりんごの具体的な栄養成分や健康価値は、生活者に届いていないというギャップがあるのも現状です。
こうした、まだ知られていないりんごの健康価値を生活者に届けることを目指し、ウェルネス・ヘルスケア領域のPRにおいて実績のあるインテグレートにご相談をいただきました。

Process

戦略/実行

インテグレートならではのPR戦略フレーム

今まで何百という案件を手掛けてきた経験から、弊社としてウェルネス・ヘルスケア領域で成功のために必要と考える3大要素を軸にPR戦略立案しました。ここでは、インテグレートならではのPR戦略フレームについてご紹介します。

 

●オピニオン

ウェルネス・ヘルスケアにおいては、発信情報に客観性・信頼性を付加していくことが重要です。
りんごの健康価値について知見のある臨床医や研究者などの「オピニオン」を、インテグレートとのリレーションのある先生方から選出します。いずれも業界において深い知見と権威のある方々です。複数の候補オピニオンへのヒアリングや面談を重ね、活動との親和性が高いオピニオンに啓発活動への参画を打診します。こうしたオピニオンの先生方は、メディアや生活者に対して強い発信力と信頼性を持っています。

 

●場所

オピニオンのセッティングが完了しても、それは出発点に過ぎません。さらにメディアが取り上げ、生活者を動かす露出を創っていくためには「場所」が必要です。ここでの「場所」とは、生活者が情報に触れることができる・体験することができる「場所」、またその情報を届けるメディアが画を撮るための「場所」を意味します。都内にある青森県産りんごを使用しているスイーツ店舗や、日本一のりんごの産地である青森県の弘前市内のりんご農園などに活動への協力を打診し、メディア提供資料への掲載許可、メディア取材時の対応などを依頼します。

 

●情報

健康価値を裏付ける最新のエビデンスから、りんごの品種やトレンド情報、豆知識まで幅広く「モノ(情報))を準備します。エビデンスに関しては、最新の研究論文のリサーチにとどまらず、簡易的な可視化実験まで行います。

生活者に届き、動いてもらう情報環境づくり
つぎに、3つの要素をどのように生活者やメディアに届けるかですが、2つの方法で情報発信を行います。

 

●セミナー・ラウンドテーブル

活動に参画いただいたオピニオンを起用し、メディア向けのセミナーとラウンドテーブルを実施します。セミナーとラウンドテーブルの大きな違いは、メディアの参加目的です。

セミナーでは、臨床医の方々による講演や青森県産りんごの品種別の試食展示を通して、健康価値を中心としたりんごの様々な魅力をTV、新聞、雑誌、WEB、業界紙など参加した記者の方々に体験してもらいます。イベントの様子を即時的にTVニュースや記事にするメディアや、りんごに関する周辺情報とあわせてイベントの中で聞いた内容や様子を記事として後日掲載することを目的に参加されるメディアがほとんどです。

一方、ラウンドテーブルでは医療やサイエンス関連の記者の方だけを招待するため、セミナーと比較して小規模の開催になります。アカデミアの方々による講演を通してりんごの健康効果に関する最新研究を紹介いただき、参加メディアにより深い知見を提供し、今後の執筆記事のテーマや参考として情報を持って帰っていただく事がすることが目的です。即時的なメディアへの露出にはつながりませんが、記者の方々がラウンドテーブルをきっかけにリサーチや取材を重ね、よりアカデミックで信頼性のある記事を執筆いただく機会を提供することができます。

 

●メディア個別交渉

各媒体社にオピニオン、場所、情報などを持ち込み、個別に企画交渉を行います。
りんごの日(11/5)、りんごの収穫最盛期(秋)、花粉症シーズン(初春)などの生活テーマとタイミングを紐づけて、りんごの健康価値だけでなく、メディアニーズに応じて準備した「オピニオン」、「場所」、「情報」をカスタマイズしながら企画提案を行います。

健康情報に関心が低い人に、どうすれば情報が届くのか
りんごなど、特定の食材の詳しい栄養成分や健康価値について普段から関心を持ち、食生活に取り入れている人は、そう多くはありません。
そういった関心が低い人に、どうすれば届けたい情報が届くのか。興味を持ってもらい、健康価値までに行きついてもらうには、生活者のインサイト(隠れた本音)を考えながら情報の入り口を広げる必要があります。

たとえば、新しいお店のメニューや商品に関心が高い人には、青森県産りんごを使用しているスイーツ店や新商品などのトレンド情報を届け、最後に健康価値に落とし込めるように発信情報を構成していくことで、結果、聞く耳をもってもらえるのです。

 
 
このように、生活者やメディアが興味を持つ「オピニオン」「場所」「情報」そして「タイミング」を幅広く準備しながら、一番伝えたいことを聞いてもらう土壌を戦略的に設計していくことで、興味喚起につながるテーマで、ターゲットが見ているメディアへの取り上げを実現しました。