株式会社ベルシステム24

カスタマーセントリックな視点で定義する
経営戦略と連動したコーポレート・ブランド

Outline

概要

株式会社ベルシステム24(以下、「ベルシステム24」)のコーポレート・ブランディングを再定義する戦略プロジェクト。
新型コロナウイルスの世界的な流行を契機に、CRM(顧客関係管理)やBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を提供する同社の経営環境は大きく変化しています。

中期経営計画で打ち出したデータ活用や事業領域拡大を推進する基盤として全社的なブランディングの見直しが必要となり、過去に「事業構想と連動するコーポレート・ブランディング」を手掛けた経験のある我々にご相談をいただきました。

Process

戦略/実行

熱意と業界構造を踏まえたブランド・コンサルティングの初期アプローチ

ブランド・コンサルティングの初動では、まず経営層へのヒアリングから始めました。複数の方々にブランドの過去、現在、そして未来について伺い、その熱い思いも含めてブランドの「在り方」を解き明かし、構造を整理します。
同時に、競合を含めたブランド・コミュニケーションを分析した上で、中長期戦略と連動させた全体の方向性を示す本プロジェクトに活用する新たなフレームワークを開発しました。企業が目指す未来を踏まえ、現在のポジショニングを明確にし、表面的なブランド戦略にとどまらない経営戦略と連動したプロジェクト設計を行い、次のステップへと進みます。

 

コアバリュー(案)に沿ったストーリーを構築して過不足の検証を実施

次のステップではブランド戦略に関与する主要部門から部長職15名のメンバーを集め、ワークショップを中心とした検討プロジェクトをスタートさせました。発散と収束を繰り返しながら、コアバリューを明確にしていき、主に以下の内容の検討から「あるべき姿」を導き出しました。

  • 過去・現在・未来のうち、「未来」を読み解くために提供価値の抽象度を上げる
  • パーパスを踏まえて導き出した提供価値を特定し、独自のカテゴリに関連付ける
  • 抽象化と言語化を基に、関連付けた要素からブランドが提供する本質的なバリューを明確にする
  • 言語化したコアバリューを活用して、ターゲットに「何を伝えるか」の具体的なプランを準備
  • 伝えるべきターゲットのペルソナを作成(ステークホルダー定義)
  • 各ターゲットに即したパーセプションシナリオを作成し、コアバリューが組み込まれたキー・メッセージを検証(※)
  • ブランド・コミュニケーションのキー・メッセージを包含するアンブレラ・メッセージを検討
  • ブランド価値マップの最終化(ワークショップの初期段階から終了時まで)
  • ブランド定義書の作成(代理店へのブリーフ資料として活用)

我々が支援するブランド戦略のユニークな点は、※にあたる「コアバリューを活用したパーセプションシナリオ」による検証にあります。コミュニケーションを考える際に、つねに「ターゲットにどのような認識を持ってもらいたいか」というカスタマーセントリックな思考、すなわちパーセプション発想でコミュニケーションストーリーを捉えています。本プロジェクトにおいては、この検証方法を活用し、伝えるべきコアバリューや要素に過不足はないかを確認し、クライアントの参加メンバー全員の理解と納得を得て、実行フェーズへと移行しました。

ブランド・コミュニケーション施策の実行(後続フェーズ)

プロジェクトを通じて規定した「ブランド定義書」を基に、インナー/アウターブランディングを進めるためにクライアントがクリエイティブ・エージェンシーに依頼し、新たなブランドクリエイティブとスローガンを策定しました。ブランドフィルムやプロジェクトストーリーの動画展開、社内ポスター、社員配布用のクレドカード、そしてアウター/インナーイベントなど、さまざまな活動を通じてブランド・コミュニケーションの展開を推進しています。

Client
Comment

クライアントコメント

株式会社ベルシスム24ホールディングス
ブランド戦略室 室長
兼 イノベーション&コミュニケーション サイエンス研究所 副所長
山中洋平 様

2021年5月に本社移転とコーポレートロゴのリニューアルを実施しました。しかし、ロゴのリニューアルに伴うコーポレート・ブランドの「在り方(戦略)」まで具体化できておらず、改めて当社のブランドを再定義するためブランド戦略プロジェクトを立ち上げました。その際、進め方を検討する中でインテグレートに相談をしたことが、一緒に取り組むきっかけとなりました。インテグレートには過去に類似のブランド戦略を構築した実績があったこともあり、私たちの求める本質をストレートにご提案いただき、プロジェクトをスタートさせました。

プロジェクトの結果としては、私たちには不足していた視点をあらゆる方面から提示していただくことができました。ワークショップで主要メンバーから多くの意見を引き出し、後工程で実施するコピーやクリエイティブの基盤となるブランドの定義について本質的な言語化がなされていく様子を、その全体プロセスを通じて実感することができました。

今回のリブランディング成功の一助として、コミュニケーションの表には出てこない黒子としてご参画いただいたことの意味は非常に大きいと感じています。今後も適宜ご相談させていただくつもりです。ありがとうございました。