企業価値が伝わるブランディングで
商品のコモディティ化の壁を超える
Outline
概要2010年からダイキン工業株式会社(以下、「ダイキン」)のコミュニケーション戦略の立案から具体施策の実行をサポートし、2023年までで13年以上継続してご支援しています。エアコンや空気清浄機などの商品の売上・シェアを拡大するためのコミュニケーションから、企業ブランディングの戦略立案から具体施策に至るまで幅広く、宣伝/広報部門を中心に一緒になって取り組んでいます。
Process
戦略/実行本質的な課題(課題の捉え方)
家庭用のエアコンは、約13年に1度買い替える耐久消費財です。夏場・冬場はほぼ毎日のように使用する「人々の健康で快適な生活」を支える家電商品(生活インフラとなっている住宅設備機器)にもかかわらず、壊れるまでの期間は低関与で、いざ故障などで買い替える必要が生じた場合、ほとんどの人が1週間以内で買い替えるという特性をもった商品です。
しかも大手メーカーのエアコンは性能や機能に大きな差はなく、コモディティ化している商品ジャンルと言えます。
さらに総合家電メーカーと比べると、空調専業であるがゆえに、生活者との商品やサービスでの接点が明らかに少なく、身近に親しみを感じてもらいにくい立場です。
この点が、ダイキンの本質的課題です。
だからこそ、商品のコミュニケーションだけでなく、「空気・空調の専業」としてさまざまな情報を発信することで、社会にどんなお役立ちをし、価値を提供している企業なのか知ってもらう必要があります。
エアコンを買い替える必要のない13年の間に、さまざまな空気の困りごとにお役立ちし、空気の大切さを意識してもらい、ダイキンという会社を知ってもらうこと、好きになってもらうこと。それが長年取り組んでいる企業ブランディングの目的です。
具体的な取り組み内容
「空気コミュニケーション」活動は、戦略の立案に始まり、コミュニケーション施策に必要なコンテンツ開発から情報の編纂・発信まで、統合型のコミュニケーション(IMC)で取り組んでいます。
基本的には、「空気で答えを出す会社」というスローガンのもとで、まず大きなテーマや切り口/ストーリーを決め、それを体現・可視化する具体的なコンテンツや取り組み実態を準備し、さらにはそれらの情報をトリプルメディアで、どう最適にコミュニケーションしていくか・・・ というふうに、具体戦略を組み立てています。
その中で重要視しているのは、統合型コミュニケーションとして、出来るかぎり広告や営業展開とも連動し、継続的な情報発信を推進するための「仕組みづくり」です。
東洋経済オンラインでの「空気で答えを出す会社」企画連載サイトは、その一つの象徴的な取り組みとなっています
https://toyokeizai.net/category/daikin_kuki
そして、これらの継続的な取り組みの結果・・・コロナ禍における「上手な換気の方法」のPR活動により、
2020年には「PRアワードグランプリ2020」のグランプリを受賞しています。